「と~さん、いっちゃった…」で、週末のココロに触れる



さいきんのボウズはすっかり頑丈そうになって、
家ではだいたい、いつもウルサく、
話の仕方もほとんど一人前、
身の回りのことも自分でだいたいできる。


そうなってくると、急に、
なんでも自分でやれるだろう、というところに
無意識の基準がおかれちゃうんだよね。


どちらかというと、ハレモノに触るように
緊張して、大事にボウズに接していたと~さんも、
男の子だということもあり、だんだん雑になってきた。


たとえば、出がけに靴下を自分ではこうとしなかったり、
どうせ最後には持たなくなるリュックを持って行く、と言い張るボウズに、
一人前向けの、キツい口調になることも。


「じゃあ行かないね?」と、
玄関先で荒くと~さんの声。
行くよっ、と強く言い返したりするところなんだけれど、
昨日は、「きゅうけいする・・・」と。
「ぜったい最後まで自分でカバン持つんだぞ!」と
めずらしくたたみかけるような口調だったと~さん、
とどめで、靴・靴下を自分ではくことや、
リュックを持つことまで、その調子でどんどん
声がけしていたもんだから、
ボウズ、ちょっとつかれちゃったらしい。
と~さんもゆとりがないよ・・・なんて感じも、受けたのかなぁ。


待てないと~さん、
「じゃあと~さんひとりで行ってくるよ」と行ってしまった。
図書館に本を返す用事だったから。




ぽつん、とした様子で玄関にたたずむボウズ。
「と~さん、いっちゃった。」
か~さんは近寄らず、様子を伺っていると、
ひとりでじっと考え込むような姿。
そのうちに、「カバン(リュック)、しょう。」って。
その落ち込みっぷり、はじめてみる感じだったから、
か~さんもハッとして、手をかした。
やっぱり自分も行く、と言う。
ここは、これは・・・と、か~さんは、家事を中断、
カギだけもって、ボウズを送ることにした。


ボウズはまだしょんぼりしながら、
か~さんはようやくハッキリ週末のボウズの気持ちに気づきながら、
ふたりでとぼとぼと図書館まで歩いた。
「・・か~さん。さ~い~た~…」と
道ばたの花をみて、か細く、うたいはじめたりして。


もう少しで図書館、というところで、
戻って来たと~さんに遭遇。
目を合わせないボウズ。
か~さん、とりいそぎ状況説明中も、
横を向いて足をぶらぶらさせていた。
と~さんと手をつなぎなおして
改めて図書館の方向に向きながら、
「行ってくる、(だいじょうぶ)」と言ったボウズの顔、
はじめてみるような表情だったなあ。





ボウズは、ほんとうに、と~さんと遊べる日を楽しみにしている。
家族3人そろったときには、うれしくてはしゃいじゃうのと、
やっぱり、甘えがでてくるんだよね。
ふだんはやっぱり、我慢もしていて、週末になると、
それを素直に解放できているということなんだよね。


もっと前、食事の時間もあまり落ち着かないころ、
週末になると、特に食べ方が極端になったりすることが多かった。
今思えば、あれも、甘えを爆発させていたんだろうなあ~。
か~さんはつい、「と~さんがいるとなんでこうなるんだ!」とか、
あんまり考えもせずにつぶやいたりしちゃって、
と~さんは、落ち込んでいたりしたっけ。
そういうことも、今なら笑える話なんだけどさ。




これからはもうすこし、ゆとりをもって、
はしゃぎ、甘える姿を見守ることにしよう!
と~さんも、気づいたかな。