森散歩で水と空気を味わう



歩いていけるところに森がある幸せを久々に味わった。
入口まで、子のペースにあわせて
寄り道したり休憩しながらボチボチ1時間半ぐらい。
まだ急な段や坂登りが続くとキビシイので、
入口から近いところで遊んで、お弁当を食べる。
それでも行楽気分はたっぷり満たされるんだ。
子の目線で歩くと、あっという間に時は過ぎる。


セリやクレソンが自生、かわとんぼが岩にとまる姿もみられるのは
水が汚染されていない印なんだよね。
川沿いを歩いていくと、あるところまでは
“ わく ” タイプのちいさな虫がフワフワしていたりするのに
急に空気が変わるんだ。
そして、植物はなんだか、ぜんぶ味見したくなるぐらい生き生きして
フワフワ虫たちも、不思議といなくなる。
そこからしばらく入ったところに、森の入口が待っているんだよな。


空気が変わるあたりから、風がふくと降りてくる香りも変わる。
まとっている水分が違う感じ。
ひんやりして、キュッ、とカラダが目覚めてハッとするんだ。
でも嫌な感じはしない。しめっている、というのとは違う。


この空気に気がつくころには、呼吸が楽になってくる。
頭がスッキリしてくるんだよね。
歩きつづけてカラダがほぐれることも手伝って。


それなのに、また、誰の利益になるのかわからない
大きな道路ができちゃうんだってさ。
その森を突っ切って。
表面は保存するのかもしれないけれど、
穴をほってしまったら、植生は確実に変わる。
その森から降りてくる心地良い空気も、水も、
もう会えなくなるかもしれない。


気持ち良かったのと、せつないのと、、、
の、森散歩だった。