パステルとホワイトアウトとコバルトブルーのはざまで

雲の動きが、速い。
空気がどんどん、澄んでゆく。
雲の切れ間から、光が、
太陽がのぞくと、
景色が一変する。
光のひろがりは
生きもののように
動きまわり
風は雲を形づくり
流してはまたすぐに
形づくる。
動かない木々は
光を浴びて影をつくり
深みを醸し出す。
わたしたちは
光をみつけて
追いかけるが、
たどりついたときにはもう
光は消えている。
それでもその残像は
しっかりと脳裏に
焼きついている。
わたしたちは
追いかけ続ける。
残るのは足跡と、
もとめてながめた
あの光景の残像、
そして、
それにまつわる
確かな感覚の記憶。
それらに彩られて
わたしは
できている。