遠くにみえる光が好きだ


冬が来た。

いや、
秋も今ひとつ
深まっていない
ハンパな時節では
あるのですが。


一気に気温が下がり
空模様もどんより。


ゆうがたになりはじめのころ
うす~く
雲の切れ間ができた

山の稜線のように
ほそく、ながく

すっきりとした青の線


その向こうに光

太陽の姿はかくれていて

細い青空に光がさしている


寒いけれど
あそこには、光がある

ふっ、とのぞいた
その光を
目を細めてながめると

顔の筋肉が横にのびて
口角はゆっくりとあがり

歩く足が
しっとりと地面に
すいつくように

歩みに静かに
力がのってくる


遠くの光


それは
否応無しに

希望

の兆しを
運んでくる