植えられた場所で懸命に根をはる


こんなに寒いところに
勝手に連れてこられて。


産まれたところ、
育ったところとは、
風も空気も太陽の光の感じも、
そもそも土壌も、
まわりで暮らす生きものも、
全然違うというのに。


あなたたちは
だまって、
懸命に根を伸ばし、
ここでいきようしている。


受けいれるも何もない。


ただ、そこで、
あるもので、
またはじめるだけ。


持てる力と
受け継いできた記憶と
そして、
変わらないたくさんのものを
信頼して


あなた方は
ただただ、
命を運んでゆく。


人が
思考できる頭を持って
あなた方より
優れているところが
少しでもあるだろうか?


いや、
あなた方と
同じ地平に立って
生きられるほどに
その資質を
ただ
生かして
つないでいるだろうか?


そこに根をはり、
あるものから生きる力を得て
命をつなぐ能力が
あなた方と共に暮らせるほど
あるというのなら、


わたしたちは
わたしたちの思考に
その種をのせなければ
なるまいよ・・・



くたびれながらも
懸命に
美しい緑色の
新芽をだす
あなた方をみていると


ただただ
申し訳ないやら
情けないやら
涙のにじむ
ばかりです。


どうかわたしたちが
あなた方とのご縁のめぐみに
一心に力を注げますように。


思考の方向を
そろえることが
できますように。