なにもする必要はない、わざわざ、は

こどもといると
どんなことが
つたわっていくのか
よくみえる。


信頼関係が
どんなふうに
むすばれてゆくのか


それは
わざわざやることでなく
どちらかというと


ある、ことに
気がつくという感覚


無理に発しない
無理に動かない


明晰でいる


それは
目を凝らして探すようなこととは
対極にある


こころをすませて
そこに落ち着いて
いまおこっていることに
注意をはらう
力は、必要なときにかける
いや、かかるのだから


言えなかったことは
必要のなかったことかもしれない


できなかったことも
やらなくてよかったことかもしれない


つながって動いている全体の
流れにまかせて
しっかりそこにいる


なにも探さなくとも
届くものを
受け渡ししながら


むすばれたり
ほどかれたりすることに
手足を差し出しながら


それは
つたわってゆく