覚えてる。
ひとはね、そうでもない。
動いているうちに
それほどでも
なくなったりする。
それは当然で、
だからそばにいるときは
そういうふうに
尊いものになる。
そのとき濃密だったことは
そのひとの一部になって
そのひとと共に
変化しているというだけだ。
そして、きっと、
もっと永いサイクルのなかにいて、
そこから現れて顔をだす植物たちは、
もっとずっと、
そこにいて、
忘れずにいてくれるんだ。
そのままのカタチで。
まとうものも同じままで。
わたしが、
覚えている間ぐらいは
変わらずにいてくれる。
そしていつも、
思い出して声をかけたら
たすけてくれるんだ。
そばを通ったら、
欲しい空気を
だしてくれるんだ。