繕いつづける

気に入った服から先に傷む。
よく身につけるから。

それは子どもの方が、顕著。
だって、とっておかない。
お気に入りだけど
今は着ないでおこう、
なんてことはしない。
今お気に入りだから、
いま着る。


で、帽子なんか
何度も直すことになる。

だって、お気に入りだから、
ちょっと破れたって
捨てたくない。

直しても直しても
気がついたらまたボロっと。

さすがにこれはマズイね、と
確認しあって、

さすがにこれは
今回はもうサヨナラでもいいんじゃ?
と、みつめたけれど

いや、まだ使える。
こうなりゃ、とことん直してみよう。

そう決めてなおしはじめた。

ツバつきの、毛糸の帽子。

とちゅう一ヵ所、
おばあちゃんがなおしたところが
ちょっと気に入らないんたけど(笑)
それはそのままにしてあって
もう、ほんとうにボロボロ。

でも、さらになおしはじめたら、
あら? そうか、って。
違うものがみえてきた。

こうやって
なおしてなおして
あっちこっち
継ぎ目みたいなものだらけになると
パッチワークみたいに
なるんじゃない?

ちょっとポコっとした
模様みたいになるんじゃ?

なおしたのかなんなのか、
わからなくなるんじゃ?

ぜんぜん違うもの、
みたいになるんじゃ?

あ、そうか、と。

これか。
リフォームも
とことんやると
アートになる、的な?(笑)

いや、どうでもいいけれど
これは使える、ぜんぜん使える、
それは確か。

おお。