足マッサージして!……

久々の発熱。
夜中にだんだんあつ~くなってきて、
寝苦しそうだった。
か~さんが起きるとすぐ目を覚ます。


青菜がレタスしかなかったけど
(※熱冷ましは、キャベツが基本)
ま、いっか、とオデコにあてながら
もはや、このぐらいの熱には余裕を持てるんだな、とも気づく。



「足マッサージして!」
そんな、熱のあがりきった夜中、ボウズは言ったんだ。


その言い切った様子に、
か~さん、心してお手当てをはじめた。


これは頭蓋仙骨療法の出番だ、と
足をそっと持つと、じっと受け入れている。
はじめてのことだった。


熱でぼ~っとしているのかも、と思ったら、
「今度オナカやって」。
またきっぱりと言う。


一緒に参加したことのあるお手当ての集いや、
友人とやりあっているときの順序どおりなのだ。


二ヶ所、移動しながら手当てし、
最後に後頭部とおしりに手をあてると、
寝息をたてはじめた。


寝たかな、と離れると、
「手、ギュッポンして!」。


それは、別のお手当ての集いで覚え、
か~さんは習慣のように、しょっちゅうやっていること。


そのあと、ちょんちょん、と耳を指差した。
さっきのお手当てのコースで、まだやっていなかったことだ。
耳はいつも、くすぐったがり、触らせてもらえないのに。


いつだったか、イスで昼寝して首が痛くなったときだけ、
おとなしく受けていたっけ。
リクエストは、これまた初めて。


そして水をひとくち飲み、
残りをおいといて、と言って、彼は寝た。


か~さんは、その姿をみつめつつ、しばし放心…
その後、じわじわと、あたたかい気持ちになった。
良かった、通じてるんだ、わかっているんだ、って。

資格をとるでもなく、遊びたいボウズをつきあわせ、
あちこち、お手当ての講習会なんかに行ってさあ。
ねえ!
専門家になろうとか、決めているわけでもないのに。

でもいいんだ・・・
少なくともこうして、
ボウズには引き継いでいるんだ、と思ったら、さ。


照れだとか、構えだとかなしに、
自分の育児道の喜びを、広げたい。
少なくとも今すぐ、それならできる。
細々とでも、ほんの点のようでも、
心をこめてつなぐことができる。


それでいい。
その自分を、すでに在ることを、
もっと大事にしなくては。
そんなふうな思いがこみあげてきて、
ボウズの寝姿がにじんじゃったよ。