おかーさ~んと連呼



最寄駅のホームから自宅までの間だけは、
ここのところ、積極的に
手をつながずに歩こうとする。
3歳5ヶ月にして、そんな感じのボウズ。


自宅のすぐ近くの川沿いで、
猫がみたいというので、
か~さんはベンチに座って、
ひとりでいっておいでとうながした。


出かけた帰り、そのまま戻ると
休憩せず、すぐ食事の用意などはじめがち。
そうするとバタバタしがちで母子とも疲れやすいから、
外で休憩してから帰ろうというもくろみ。
だから、べったりではないひとときを
つくりたかったのだ。


猫があつまっているところから
5メートルぐらい離れたベンチに座り、
数回うながすと、少しずつボウズは行った。


猫にも、じりじり、少しずつ近づくボウズ。
何度もふりかえりながら…。


そして、そこからは、1分ごとぐらいに
「かーさ~ん!」。


よくもまあ、猫をみながらも忘れず言えるもんだ、
というぐらい、ずっとずっと、
か~さんが応えて顔をみるまで、のぞきこんで。


やれやれ…、とちょっと思ったけれど、
目があったことを確認してにんまりする顔がまぶしくて、
それでも成長しているなぁ、と感じられて、
ありがたくなってさ。
そのうちなんだか、か~さん、
涙目になっちゃったよ。



気のすむまで猫とふれあって、
か~さんは夕涼みの風を受けて落ち着いて、
家まで疲れを持ち込まず、さわやかだった。