シアワセに物はいらない



持つのが苦手。
荷物は少ない方がいい。
部屋にも、道具家具はなるべく置きたくない。


たとえポケットティッシュでも、
持ち歩いていると、その所在が気になる。
気にするということは、
そのぶんエネルギーを使っている。
持っているだけで消耗している。


物でなくたって。
思いだって、物より重いかもしれない。
あれもこれも気になる、というのは、
今に向かえていないんだ。
気を分散させるとくたびれる。


だからって、現実直視! なんて
意気込むことはない。
それもまた、今ではない別のエネルギー。


今ここを味わうことだけで
内側から満ちてくる。
カラダと心がつながった状態で
ただ、感じるだけで良い。
ただ、触れるだけで良い。


かけっこや山登りの気持ちよさを思いだした。
ほんの少し、木の根をたよりに
崖をのぼることで、すっかり思いだせた。
子と一緒だったからかもしれない。
その後の一日ずっと、
すべてがありがたくて
シアワセな気分だった。