分かち合えない哀しさが



オッパイのことは、
身近な他人と分かち合えないことが
なによりもどかしい!


昨晩もボウズは寝る前にだけ
「オッパイのみたい!」を連発して
ちょっとだけバタついた。
ほんの数分ね・・・。
か~さんはその間、じっとだまり、
ちょっと落ちついたところで
「今日も何も言わなかったね、
 すごいね、がんばってくれたね。」
と声をかけた。


「がんばってないよ!」
「そうか、でもかっこいいね。」
「かっこいくないよ!」
「そうかなあ、か~さんは、
 かっこいいと思うけどなあ。」


と言ったら押し黙り、
もう一度「オッパイのみたい。」
「オッパイは、なくなっちゃったんだよね?」


十秒ほどの沈黙後、
「オッパイさわって寝る。うたって。」


ここまでが、ほんの数分!
このあたりから、か~さんはしびれてきた・・・。


「なにうたおうか?」
ここでいつもならお気に入りの子守唄のところ、
「あのねぇ、クリスマス。おんがく。」
昼間にふたりで盛りあがった讃美歌のことだ。
讃美歌、たくさん知ってて良かった、と
この頃よく思っていたんだ。
子守唄は、子の呼吸とテンポの合うものが良い。
バッチリなものが多いんだ、讃美歌は。


数曲おりまぜてうたいながら、
ジンジンするか~さん。
そして・・・
そのやりとりを聞いていたはずなのに、
と~さんは途中でスッと抜け出してしまった。
腰にあてるコンニャクを湧かしにいってくれたのだが、
「なぜ、今、席を立つんだキミは!」と
ちょっぴりかなしかった。
このうつくしいひとときを、
あのオッパイ大好き、か~さんべったりの息子が、
ついにオッパイなしで二晩目を迎えようというこのときを、
キミは見届けたくないのか!?
ってね・・・。


そのままスッと寝入ったボウズの寝顔をみながら
か~さんは走馬灯のように・・・
ってな感じだったので、今朝起きてからの温度差が後をひき、
せっかくのうつくしいこの「卒乳か!?」イベントに
しばし泥を塗ってしまう口論発生。
昨晩のうちに解決しておけばよかったね、
すまぬ、ボウズよ・・・。


それでも一番大人のボウズは、
はしゃいで場をとりつくろうとしてみたりしてさ。
どうにもやりきれなくなったときに
1度だけ、「オッパイさわりたい。」と訴えた。
もはや、「のみたい」とは口に出さず。


そして乳首をさして、
「オッパイ、ちいさくなっちゃったね。」
と、か~さん自身も気がつかなかったことまで指摘。
そう、なんだか、キュッと縮こまっていたんだ。


そんな今日も、もうすぐ過ぎようとしている。
父子はフロ中。
さてどうなるか。


と~さんとも分かち合えるよう、
ちょっと考えてみるかな。