花火、こわい



今年の夏は、と手持ち花火セットを買ってみた。
近所の公園で、夕ごはんの後に涼みがてら、なんて
夏休みっぽくて楽しそうだと思って。


ところが我が家のボウズは・・・
「花火やりたい!」とうれしそうに持って出るくせに
火をつけたとたんに
「花火こわい! もうやめる! お家かえる!」
ときたもんだ。


出た~、お初モノ恐怖症かあ~? とがっかり。
その後また試してみたけれども
前よりもっと恐がってしまって1本で退散という始末。
5回ぐらい、両親そろって一緒にやれば慣れるかな、と
気長路線を決め込んだんだけど。


もうそろそろ、花火大会も行きたくなったんだ。
と~ちゃんか~ちゃんは。


おなじみの鎌倉花火大会になんとか出かけるべく
新たに調査してみたところ、今までノーマークだった
打ち上げ海岸からちょっと離れた山の上の公園をみつけたんだ。
至近距離で逃げ場がないのは無理だろう、と探したら、
混雑もしない場所があって。


近所に住んでいなければ行かないだろう、という
なが~い坂道を登っていくトイレもない公園だったけれどさ。
むしろそういう場を好む、物好き家族なんでね・・・


家族でお揃いの持参弁当を食べるまでは良かった。
見晴らしも風通しもよく、会場からの距離も程よく。


これならいけそう、と好物トウモロコシも用意して
ついに花火がはじまった、と思ったら・・・
「こわい、こわい。花火こわい!」
と抱きついて来たよ、やっぱり~。
暑いし、トウモロコシは食べづらいし、花火も見えないし!


それでもせっかくここまできたんだ、と
ヘンな体勢のままボウズを抱きしめつつしばしねばった。
「あ~きれいきれい。赤だね。」と調子良く言ったぞ、と思えば
つぎの打ち上げ音ド~ンとともにしがみついてくる始末。
で、また、打ち上げの合間になると
「花火は? おわっちゃったの?」ときて、
ひっぺがして座らせようと思うと、音がしたとたんまた抱っこ・・・


それを5セットは繰り返しただろうか。
そのあたりで、やっと、好物トウモロコシにもがぶりついて
しばし花火にみとれるぐらいのところまできた。
そして、それが限界・・・


「花火、もうおしまいだから、ちょっとお外行こうよ。」
「もうおしま~い。かえろう、おいで!」


眠かったこともあるのかもしれないね。
30分ぐらい鑑賞、はじめのクライマックスをおさえたところで退散。


ほんとうに花火の何かがこわいのか、
すべての物事に対する慎重派のペースが出ているのか?
まだどっちか判断できないけれど、そんなわけで、
花火大会を家族でたっぷり楽しめるのは、まだまだ先のことになりそう。