かーさんは悪くないよ



ささいな事だったと思う。
思い出せないぐらいなんだから。
食事関連のことだったけれど。


「ごめんなさい。」とボウズが頭を下げた。
それは、あいさつのようなさりげなさで。
紳士的だった。


相手に気づきを与えるステキなその謝り方にぐっときて、
ぐっときた、と思う間もなく、素直な気持ちにさせられた。


「ああ、あれはね、か~さんが悪かったね。
 だって○○だったもんね。」
反射的に、自分のいたらなさに意識が行くようで
そんな言葉がスルリと出てきた。


そうしたら、さらに。
「ううん。」と(言ったかどうかは定かではないが)
首をふって、
「か~さんは悪くないの。○○しちゃったからなの。
 だいじょぶよ。いいのいいの。」
だなんてさ。訳知り顔でさらっと言うんだもの。


ああ、細部を覚えていなくて具体的に書けないのがくやしい・・・。


ちょっと夫婦間で覚えのあるやりとりで、
マネも入っているのかもしれない。
でも、それにしては、シッカリわかったような表情としぐさだったんだ。


やられっぱなしだなあ。