片づけをほめたら



じゃり道たっぷり散歩して、
そのあとの休憩地点で電車遊びもして、
おやつに好物の干し芋も食べて。


満足して眠そうになってきていたところ、
帰らねばならない時間になった。
『抱っちょ』だの『ぱ~い』だの言いはじめたところに、
得意のお片づけ攻撃を。


『これ、センセイのところにお片づけしてきて』。
このひとことでグズり虫が、
そして半径5メートル離れればやっとのひっつき虫が、
スクッと立ち上がり、トコトコおもちゃを持って歩いていく。
そして、ハイ、と、片づけ中の保育係の人に渡す。


『まあ、どうもありがとう』。
そんな声をかけられて、振り返ると得意&照れ顔。
“ ちゃんとやったよ! ” とかいてあるかのようなその表情、
だいぶん感情と意志がハッキリあらわれて大人っぽくなってきた。


戻ってきた頭をなでながら、ちょっと複雑な気分になった。
か~ちゃんの喜ぶことを、そんなに得意に思ってしまうんだ、と。
大人っぽくなってきたとはいえ、まだまだ
か~ちゃんに頼らないと生きていけないんだ。
ここを間違うと、変に顔色うかがわせることになっちゃう。
気まぐれで、こういう幼子の気持ちを振りまわしてはいかんね。
芯を通さねばね。