日本で良かった



あらあ、後ろ姿もかわいいとはこのことね。
ぼうや? かしら。そう、1歳。
キレイだものね。
紫式部は毒もないから大丈夫よ。
たくさんあるから、ひと枝いただいて
持たせてあげたら?




川沿いを散歩すると、
ちいさな薄紫の実のついた木のまえで
かならず子が立ちどまる。
その実だけは、かならずさわっていくんだ。
それが、紫式部の実。


今日、朝はやくから散歩に出た。
タイミングが良かったから
と~ちゃんを駅まで送りがてら。
時間が違うと、散歩道を通る人も違う。
朝からウォーキングやジョギングの方がたや
遅めの通勤の方、通学の制服姿さんたちも。


暑かったけれど秋の気配の朝の空気、
いつもの散歩とは景色も違ってみえる。


ゆっくり子のペースにつきあいながら
やさしく声がけしてくれたご婦人の言葉を反芻して
じっくりあたりをみわたしてみた。


なぜだか、日本人に産まれて良かったんだ、、
そんな思いがこみあげてきた。
酔ってる? と一瞬つっこんでみたけれど
今日は、イイ。それならばとことん酔ってしまえ! なんて。


暑すぎたり寒すぎたりせず、
湿気も植物の成長にはやさしい。
四季があって、その気候のかもしだす空気はやわらか。
ぼんやりした淡い色合いの世界になる。


自然の風景が美しく、こちらから動かずとも
季節にあわせてつぎつぎに変化するからか、
室内の装飾も、飾りたてるようなものにはならない。
自然の恵みの美を借りてくるような感じ。
絵も、家具も、布も・・・
そして、料理も。


そうなんだなあ、
ぼんやり境界もあいまいであわく、はっきりさせない、
それでいいのかもしれない。


グズグズだらだら家事を長引かせずに
たまには朝も、散歩に出よう。
早起きはいつもしているけれど、
今日は出かけて得した。
目的がある早出だとこうはいかないからな。
これもまた、ささやかな子連れの贅沢。


紫式部は大丈夫よ、か。
声をかけてくれた素敵なおばさま、ありがとう。
そして、そんな出会いと日本に酔うひとときのきっかけ、
ボウズが呼びこんでくれたんだ、ありがとう。
そしてそして・・・
たまには、と一緒に出てみることを提案してくれた相方よ、
どうもありがとう。