中島潔が描く パリそして日本



招待券があったので、横浜そごう美術館へ。
山下公園の花火大会があるので
浴衣族など、駅周辺もそごうも大混雑。


まずい日に来てしまった・・・と思ったが、
屋上で夕涼みしているうちに花火の人がひけて、
夕方にはいつになく過ごしやすいすき加減。
マイペースでまわれてラッキー。



中島潔さんの絵は、いままであまり好きではなかった。
哀しいんだもん。
せつないとかではなく、つらくなるような哀しい感じ。
うなじとか、なびく髪の毛とか、しなやかな体の線とか、
女の人がきれいだなーと思うポイントは
自分の好みとも通じるところがあったけど。


でも、今回の展示のポスターをみて、
わ、なんか違う、"JOY" がある!
と思ったので観たくなった。


60歳を迎えて、画家になった原点のパリへ
また行ってみようというだけでもすごいが、
そこで何かを得るまでは帰らないという情熱もすごい。


行ってすぐには、
それまでに染みついたクセのようなものから抜け出せなかったのか、
全然描けなかったという。
それでもとにかく手を動かし続けるうちに、
次の展開が開けてきたというのだ!
一年過ごした後、やることに気がついて、
急いで日本に戻られた。


戻られてからの絵には、
自然のしなやかで力強い生命力の美しさが溢れていて、
特に屏風の大作、『童の四季』は
この世を愛するエネルギーでいっぱいだった。
正直いって、その数年前の絵がかすんで見えてしまった。


いやあ、やり続けるって素晴らしい。
こうでなくちゃね! 歳をとっても。


パリ滞在中の作品は、青がきれいでいいな、と
あとで絵はがきをみたけど、
印刷するとその青の良さが弱まってしまっていて
がっかり。
やっぱり、生でみないと! パワーが違うよな、
と思いながら会場を後にした。