やりくり技能



相変わらずつわって、食にまつわる不便が続いている。


相方はわりと昔から好んで料理をするほうで、
それなりに楽しんでいろいろやってくれる。
が、ここへきて、ある点での自分との経験値の違いが
明らかになった感がある。


休みの日に時間をかけて、煮込み料理などをつくってもらうと、
なかなかの腕前を発揮する相方。
食べてもらう人数が多いほどいいのができたりする。


しかし。
日常生活でコンスタントに家族のごはんをつくる能力には、
それとは違った技量がいる・・・
そしてそれはたぶん、経験の差がものをいうタイプのことだ。



食材の宅配を検討していて、
「レシピをみて買物に行くっていうより、
 冷蔵庫をみて何つくるか考える方だもんね。」
と相方が言った。
ある程度セットになったものを頼んでも問題ないよね、
というような話の流れで。
自分も、そうだな、と一瞬流したのだが。


「冷蔵庫をみて何かつくる」を無駄を出さずにやり、
しかもそれなりにバランスのとれた食生活を送るには、
ほとんど意識もせず行っている、微妙な計画と調節が必要なのだ!


あらかじめ一週間の献立を計画するというのは、
生活リズムがだいたい一定であればうまく行くかも知れないが、
それでも予想外のことがあったりするもの。


たとえば、肉を1パック使い切らずに、
ほんの数10グラムでも残しておく。
次に何をつくるか意識してやってるわけではないのだけれど、
この少量の冷凍肉によって、買物に行かずとも一品つくれることがある。


そんなようなことをたくさん、細かく分析・検討して、
法則というか、コツのようなものに気づいた人が、きっと、
“100円おかず” とか “ムダなし! 一週間のおかず” とか(注:イメージ)、
そんな本を出したりしているのかもしれない。


メインで炊事を担当している人がいるところに、
別の人間がピンポイントでちょこちょこ参入すると、
材料の使い方や、買物の仕方に、
微妙なズレが出てきたりしてしまうのである。


経験がないと、そこのところにはなかなか気がつかないのだ。


そういうズレさえ、文句も言わず臨機応変に修正できるのが、
さらに上級コースかもな。


連日深夜残業、といった生活の中でも、
だしをとって煮物をつくったり、弁当を用意していた自分を
ちょっとだけ認めてあげたい気持ち・・・
はっきり言って、
コンビニ食ざんまいでは気が狂うから
自分が可愛くてやっていただけのことなのだけれど。


このことはきっと、長い人生、
ほかのところでも役立つハズ!
どんなことも、自分で工夫してやったことは
肥やしになるに違いない。


貧乏性というのか、
具合が悪いからといってゆっくりしてるのも
なんだか落ち着かなくて申し訳ない感じがしていたのだけど、
ちょっとスッキリしたかな?(笑)