クレームのもと



おばさま方のクレームは、すごく的を得てる、と思うときがある。
だけど、トークが「わたし、わたし」に陥りがち。
着眼点はハッとさせられたりするし、気持ちもわかる。だけど、おしい。
ひとこと、自分都合を入れてしまったら返されるスキになってしまう。


不手際連発の某シティバンクにて、クレーム現場に遭遇し、
そんなことを考えていた。


対応している、役職がついていそうなおじさまは、
ずっとマニュアルみたいな言葉しかしゃべらない。
「金融業と申しますのは」とか
「おひとりさまのために例外をつくることは」とか。


書類を書いてるフリしてずっと聞いてるわたしも何ですが(笑)。
でも、そういうのってためになるのだ。
今思えば、他の客に聞こえるところで延々やりとりしてるというのも、
いかがなものか。


ただの言いがかりとか、とんでもないクレーマーもいるので、
日々大変なのだろうけれど、、、


最近、母親が某大手通信会社のたらいまわし対応に辟易、
「そんなんでお給料もらえてるの!?」と親子二人で
なんだかしょんぼりしてしまう事件があった。


お問い合わせ電話にかけると、担当の人が名乗るもの。
母は、ついには、いちいち部署名と名前をメモしてたどり、
現場管理者らしき人物を探り当てた。
それから、対応履歴が客観的に判断できるよう整理して伝え、
なんとか解決にこぎつけたらしい。


この、名前をメモするというのも、また危険なところがある。
「言い方を気をつけないと、担当の人がパートの人とかで、
 お給料下がったり辞めさせられたらねえ・・・」
担当の人に問題があるときもあるけれど、この場合は、
そもそものシステムが悪い、といったタチのことだった。


銀行の「おばさまのクレーム」の件でも、
偉そうなおじさまがしきりに、「店員の名前は?」と
聞いていて、ハラハラしてしまった。


母はできうる限り、冷静に本質を伝えようとして偉かったな、と
感心したけれど、それがどこまで届くのかと思うと、、、
それに、母は現役で個人のお客様相手の仕事をしているから、
そういう対応ができたというところもある。


専門用語もわからないような、同じ歳ぐらいの人だったり、
多忙な人だったら一体どうなっていたのだろうか。


そことの契約をやめて、他に変えるというわけにもいかない。


組織が大きすぎるし、細分化されすぎてるからなのか。
クレームには、改善すると良くなることのヒントが
隠されているのに。
お粗末な感じで、せつなかった。


この時代にまだまだ余裕のあるところなんだから、
ややこしくもったいないことをしていないでもらいたいなあ、
などと思いつつ、後味の悪さが残る出来事だった。