こわしたら、破片で、そのさきにはわたれない

あんなにも
なんどもぶつかっていた壁が
そこにはもうなかった


壁は、
壊すものじゃない


気づいたら
無くなっているんだ


その壁は
これまでの
それを知らないわたしを
知らない世界への恐怖から
守ってくれていた


そしてその恐怖は
絶対のものではない


そのさきのものがみえても
大丈夫な自分が
かたちになったころ


その壁は自然に
姿を消すんだ