夜中の学校で鬼ごっことかね。


かあさんは、すみません、
大学生になってから
やりましたよ。

夜の学校で遊ぶとか
そういうことは。



夜中に学校の裏の林で
ナイトハイクしたりだとか

もう少し小さい時は
星空観察したりだとか

校舎や校庭のテントに泊まって
先生の目を盗んで
(半ば目をつぶってもらって)

抜け出して

友ダチとこっそり
笑いあうだとか

これが学校だから
楽しい、ってことが
きっとあったんじゃないかい。


自由なお泊まり会だとかで
ふざけるのとは
またワケが違ってね。


大きな6年生に可愛がってもらい、
油断しておちゃらける中学年を通りすぎ、
今度はちいさな1年生の面倒をみて。


近所の子たちと
自由に、でも見守られながら
母さんたちなら
家の近所で安心して
そうやって遊んでた。


今の家のまわりでも、
友だちと兄弟と、
そんなふうに遊ぶ姿は
ときどきみかける。

母さんは、
ほとんど毎日のように、
だった。

それでさらに
家の中でも遊んだし
本も漫画も読んでいたし
勉強だってたくさんした。

いくらでも
時間があった気がする。


君たちは?
と思うと、
そこいらじゅうが
子どもの居場所だった時とは
ちょっと違うかもしれないな、
と思う。


そんな時代に

学校で
そんなふうに遊べたこと、

それがどんなふうに
カラダにきざまれていったのか
どの子のことも
いつまでも
覚えているよ。

自分の子ども時代なんか
とっくに忘れて、
ほとんど何も覚えちゃいないけど。


こんなふうに
年をとってから
よく覚えられることもある。


2回目の、
おっきいありがとう。
この土地とこの学校と
そこで同じときを過ごした
仲間たちとに。