クルマ、だった


それはそれは
うつくしい
雪景色のなか

とても久しぶりに

水の流れる場所に
クルマを走らせた


あまい水は勢いよくあふれだし
温かい水はポコポコとわき出し


凍えるカラダを
じんわりとほぐしたり
潤したりしてくれた


そんな、今日ですが。

最後まで印象深かったのは
クルマだった


雪道、走ったことありますか?

すごいんですよ、
それはそれは


関東にいた頃は

オフロードラリーみたいな
スケートリンクみたいな

こんな道を

ふつうに毎日走るなんて

それがどういうことかなんて

1ミリも想像できなかった。


うつくしい水場に
ふらっ、と
出向けるのも

そんなヒドイ道を平気で走る
クルマがあるからなんですよ。

陽が射す昼、ぬかるんだ雪が
タイヤと絡んで跳ねあがり
それがまた、夕暮れ、
冷えてガッチリ凍りついたりする。

それでもクルマは
走るし、止まるんだよ。
そういうふうに
つくられている。

でも、本当に大丈夫? って
機械にそれほど強くないわたしは
いつも、その泥氷まみれの
精巧な機械を

しげしげと
みつめてしまうのであります。


いいか、悪いか、
とかより、まず、
忘れちゃいけない。

と、想うわけです。

わたしたちは
クルマに乗って
ここにいる。