おせちの材料から手づくりの幸せ



サツマイモの保存は、難しい。
収穫どきも、食べごろの見極めも
なかなかに難しい。

北国のくせにサツマイモを栽培する、
というのは、近頃では
珍しいことではなくなっているが
この収穫どきや保存については
みなさん、試行錯誤なさっている
最中なのかもしれない。

そもそも最近の気候は
『例年にない』
ようなことばかりで
その場、その年の有り様を
みていくしかないところもあるのだが。


栽培3年目にして
凍結注意のなか
特にこれといった設備もなく
家の中で

10月末に収穫したサツマイモを
正月までもたせる、

ということに成功した。

ウッカリ溶かしてダメにしてしまったのも
いくつかあるが、
かきあつめると
ちょうどなんとか
3人分のおせちになるほど
残っていた。


ダイコンやニンジンやゴボウでなく
この、サツマイモをとっておいて
おせちに使ってみたくて

それをたのしみに
山で拾った栗を
渋皮煮のビン詰めにして
とってあったんだ。

なじみの場所で拾った栗と
だいじに育ててとってあった芋で
栗きんとんをつくることができた。

もう、つくるだけでご満悦で
わたしはあまり食べなかったぐらい(笑)



高級そうなラベルのついた
その時期だけ出まわる
栗の甘露煮と

少なくとも北国では
まったく季節外れの
遠くから来たサツマイモでつくる
きんとんは

どうにも
しっくりこなかったんだ。

それで
カボチャきんとんや
百合根きんとんも
やってみたけれど。

わたしは九州産まれの関東育ち。
大の、芋好き。

やっぱり、きんとんと言ったら
栗芋きんとんなのである!

おせちを自分で手づくりしはじめ
もしかしたら20年ほどになるのだが
それでようやく

大好きな栗きんとんを
栗の煮かげん甘さかげんや
芋の素の味までも
自分好みのものを使えたんだ。