砂浜であそんでいたときのこと。

ボールを砂の坂から転がして、きゃあきゃあ追いかけてはしゃぐ子どもたち。
ボールは、ふたつしかない。
子どもは、5歳になったばかりの男の子「くん」と、4歳半の女の子「ちゃん」、3歳すぎの女の子「ニーちゃん」、そして1歳半をすぎた女の子「フウちゃん」。

上のふたりがボールを手にして楽しそうなところに、3歳の女の子がよっていった。
混ざって一緒にあそびたい。だって、楽しそうだものね。
でもボールは、もうないんだ。

楽しいことを自慢したくなっちゃう4歳の女の子が、
いいでしょ~、とばかりにみせつけて、
もうボールないからこないで、という態度で接している。
それでも、「かして~」とよってくる子にゆずらず、ふりきった。

そんな様子をしばらくみていた(感じていた)いちばん上の男の子は、
いたたまれない、といった表情で、
「はいっ、ハイ!」と、いそいで自分の持っていた同じタイプのおもちゃを差し出した。
そのあと、目があった。
ややひきつった表情。

あ、がんばったのね、とわかる。


そして自分は、同じことができるような他のものを、探しにいった。


寝る前にお話。
まずは、よくできたね、よくゆずれたね。
でもそのあと、ゆずれなかったね。
いっかいがんばったから、今度は自分がやりたかったんだよね。
そういうときもあるよね。
でも、フウちゃん、ないちゃったね。


思ったらパッ、とすぐに行動できる子。
パッ、とでてきた行動を制すると、その、パッ、とわきあがったエネルギーの行き場がなくなってしまう。

すぐにほめまつってしまうと、押さえた自分を出せないままになってしまう。



がまんがたまると・・・
自分をおさえることがくせになる。