お話をおぼえて人形を動かす



クリスマス会でやる予定の
ページェントの台本を素読みしていた。
声の出し方などは、それらしく。


ボウズ、絵を描きながらも、
かたわらで、シッカリ耳をかたむけている。


「天使がやってきて」
というと、毛糸でつくった天使をもってきて
フワフワとぶように動かす。


「マリアさまが」
というと、それらしい人形をもってきて
ちょんちょん、歩くように動かす。


「遠くに星が」
というと、おもちゃ箱をひっくり返して、
昔つくった工作の星のつえをとりだし、
少し離れたソファまでいってかざした。


ずっと、そんなふうに、勝手に人形劇にして
ついてくるではないか~。


ひととおり読み終わると、
「もういっかい!」



ページェントの人形劇は、
さいきん、一度だけみたんだけどさ。
語りも、セリフも、けっして子ども向けではなかった。


おぼえているもんだねえ。
そして、好きなんだ、やっぱり、そういうことって。