紫陽花が好きだっ



引越して来て3年半、三度目の紫陽花の季節。
すぐ近くの川沿いの紫陽花がにぎやかになってきた。


つぼみは、こんぺいとうのようで楽しげだし、
花びらは、にじみ絵のようで、
広がりが感じられて、みていて飽きない。


この土地に来てから、すっかり紫陽花ファンになった。
写真に撮るより、絵を描きたくなる感じなんだよな。
そのイメージで染色したいな、とか。


花の色が変化することから、花言葉は「移り気」だとか。
「高慢」「無情」「冷淡」なんていうのもあって、
良いイメージなのは、「ひたむきな愛情」「辛抱強い愛情」というところ。
あんまりピンとこないなぁ。


ちょっとがっかりしたのだけれど、
いや、まてよ、と、ハッとしたよ。


自分がすごく素敵だ、好きだなぁ、と思って、
きっと花言葉も素敵に違いない、なんて調べたら、
あまり気に入った感じのものではなかった。
・・・そこで、がっかりする必要ってある?
アホみたいだよねぇ、そんなの!


自分は、紫陽花が好きだっ。
それで良いではないか。
花言葉なんか調べなくたって、
自分でつけときゃいいんだよ(笑)。


ああ嫌だ。
自分の中からの声を味わいつくす前に、
すぐに何か他の指標に照らし合せてしまうなんて。
そんな余計な手順、いつから覚えたんだ。


でも、花言葉って、いつ誰が決めたんだろう、とか、
そこでまた別の物好きが顔を出したりもして。


なんてことはない日々の暮らしで、
もう、イッパイなんだ。
イッパイいっぱいではなくて。
もっとゆっくりじっくり味わっていたいのだ。
そんなことまで気づかせてくれる紫陽花サマ、
やっぱりなぁ、なんだか目が離せないワケだ。


そんな自分を、どうぞ、大切にね、自分よ!