気位が……



「ぉかぁ~さん、……、あのねぇ…」
くねくねしなしな、しゃがみこんで
横目でこっちをみちゃってさ。
いつもと違うぞ、なにかな、
変な夢でもみたかな、と思った朝、
正解は、「おねしょしちゃった」だったよ。
ねぼけながらも、言いづらそうにして。


ちょっとショックだったのかな、と思って
「いいよいいよ、お洗濯するからさ。
 濡れちゃって気持ち悪いでしょ、パンツかえる?」
なんて、やわらかく話かけてみたら。


「おふとんは濡れてない! だいじょぶ!」
と、シーツを剥がすのを断固拒否。
濡れてるってば…。


パンツは替えても、シーツをめくったら
「やらないで!」と、たちまち自分で直しちゃってさ。
と~さんとゴハン食べている間に、
か~さんはこっそり、超特急で
そのシーツを洗濯機に運んだんだ。


そのときの頑さ、ゆずらなさ、といったら!
先が思いやられるねぇ~、と、
と~さんか~さんは、目を見合わせたよ…。