こわしちゃったの~



『ぜ~んぶぜんぶ、とわしちゃったの~~』
最後の、“ の~~ ” に上がり調子のアクセントで。



か~ちゃんが台所にいるあいだ、いつもは
踏み台(イス)に乗って
隣で色々とまねごと(お手伝い)などをするボウズ。


最近は手の伸び方やら手伝い方(ジャマ)も
だいぶん知恵と慣れが入って来ちゃって、
ちょっとめんどうなか~ちゃん、
疲れてたからってイスをたたんじゃったんだ。


それでもめげずにまとわりついて
あれやこれや手を伸ばそうとしていたけれど
あきらかにジャマ扱いされているとわかってから
妙な行動に走り出した。


台所の片隅で、ストック新聞紙を引っぱり出し
びりびりとちぎりはじめた。
どんどん細かく、ちまちまと器用にね。
あたりは、ふわふわ、ちびた新聞紙の山に!
おとなしいからいいや、と放っておいたら
そのうち、上に寝転んだりまで・・・


そして服についたものを
はらってあたりに散らかしたり
冷蔵庫の下に突っ込もうとまでしはじめた。


そこで、こりゃ、さらにめんどうだ、と
やっと止めに入ったところが、冒頭のセリフ。
節をつけて、
『ぜ~んぶぜんぶ、と(こ)わしちゃったの~~』
ときたもんだ。


なんなんだ、そりゃ!
そのちぎりっぷりのあまりの器用さと
ナナメなすね方に、成長を感じたよ。