空がすごかった



夕焼けをしみじみ眺めた。


スジ雲と入道雲のかけらみたいなモクモク雲が混ざって
そこに陽の光がスーッとひろがっていた。
夏の終わり、秋のはじめ、特別な空。


あたりの木々は少しばかり色づきもはじまって
夏のギラギラした緑が落ちついてきた。
そこに、サルスベリの濃い桃の花が
なんと映えることよ!


光は、白熱灯のような濃い黄色から
橙、そして赤へと
ぐんぐん濃くなっていって
最後、陽が落ちる寸前には
真っ赤だった。
一緒に、あたりの色がまざって
トーンダウンしてゆく。


1歳7ヶ月の子も
両手をひろげ、指さしで空を仰ぎ
そこらじゅうに響く声で
『あ~あ~あ~~』って。


ちょっとイイモノみたな、というほっこり気分と、
なんだか怪しい空だったな、という
天災へのちょっとした恐れと。


自然の姿に打たれる贅沢。
自然の姿から感じとっていた生活へ
カラダからの憧憬チラリ。