あたたかくて、やわらかいもの



うんとネンネのころから
ガーゼのふとんカバーだとか、毛布とか、
手でスリスリやってたな、そういえば。


“ ネンネ ” と言うと
ふとんに転がるようになってきたこのごろ。
触れたふとんが気持ち良いと
ぱっ、と表情が変わって、
手足だけでなく、ほおをすりつけたり
からまってごろごろしたり。


“ へぇ~~ ” “ えへへ~っ”
なんて、喜んでいる。


“ のび~ ” と言うと一緒にのびたり。
“ マッサージ ” と言うと
スリスリしてくれたり。


気持ちいいねえ、と
通じあえるようになった。


こうなるとやっぱり、はっきり思う。
うすぼんやり光る春の木漏れ日みたいな明るさの
やわらかくてあたたかい環境で
まわりを満たしてあげられたら。


角ばった家具や、暗い色のフロアマットや
白いコンクリートのひんやりした壁、
冷たく固いクッションフロア、
そんなところに一人のこされたのでは、
そりゃー、グズるよなあ。
とくに、夕方、日が暮れはじめた頃はなあ!
か~ちゃんがゴハンの支度をしていることだけが
理由じゃないよなあ。