食いしん坊だった



思うように食べられない、食べても味気ない、
かれこれ一ヶ月以上そんな日々が続いて、
だいぶん消耗してきた。
目でみても二の腕や太ももが細くなったのがわかる。
ちょっと食べる量が減ったぐらいでそうなるなんて、
いつのまにか筋肉がなくなってたんだなー、とカナシイ。
そりゃー急にふらついたりもするか。


それよりなにより、楽しみが・・・
自分がいかに食べることを大事にして、楽しみにして、
生きる喜びを感じていたかがよお~くわかった。


食べたいものがふと思い浮かぶとき、
なんとなくそのときの自分に足りないものだったりして、
食べ終わるとすっきりして元気が出たりしてたのに。


食に関しては、おもしろがる余裕もなくなってきた。
あともう少しのことだ、病気なわけじゃないんだから、
と気を紛らわせようとするけれど、
関係ないところで食材の写真をみてしまったりするから
なかなか逃れられない。


4ヶ月に入ったら楽になるかと思いきや、
スーパーのチラシをみても気分が悪いぐらいで、
食べ始めるまでの不快感はむしろ強くなった気がする。


しかもちゃんとお腹はすくし、お腹がすくと吐き気も出てくるから
なにを食べるか考えて用意せざるを得ない。
わ~~ん!
あともうちょっと! のハズ。
がんばれ自分!


気がつくといろんな忘れられない味をぐるぐる思い出す。
自分の場合は、十代以下、
こども時代の思い出が多い。


たとえば、
市場で殻ごと海水で洗ったのを食べさせてもらった牡蠣だとか、
旅館の裏で、やっぱり海水ですすいだのを味見させてもらったウニだとか、
ホテルで、ビュッフェではなく注文してつくってもらった
ふわふわとろとろのオムレツだとか、
“はじめて出会った本物の味” みたいな思い出が走馬灯のように・・・


うう。
飢えている、、、