退屈しのぎに仕方なく



心から興味なんてない。
だって、そこに、
いなければならなかったから。


だったらそこで、
そこにいる人たちと、
少しでも面白くいようと
していただけだ。


面白くしてくれる人には
みんな集まってくる。


人が集まれば、
もっと面白いことが
できるようにもなるし、
面倒も増える。


好きだとか、
嫌いだとか、
言ってみたりする。


区別してどこかに
くくっておきたくて
あいつはどうだとか、こうだとか、
決めつけてみたりもする。


面白いことより
煩わしいことの方が
増えてくる。



それで、僕は、
どうして
ここにいるのだ?



どうして?


きたくて、きたんじゃない。
ここに行ってください、って、
言われたからだよ。


だけれども。
どこでもいいから
必要なところがあれば、

このぐらいだったら行けます、
って、
意思表示したのは僕だ。


僕は、やっぱり、
かわらない。
ここにいるのだから、
ここを面白くする。


他に色々なところがあるのは、
知っている。


どこだって同じだ。
面白くもできるが、
退屈だって、
煩わしいことだってある。


どこかを探す必要なんか、ないんだ。


それだけは、僕にだって、
もうわかったよ。


あなたは、もっと、
色々なところに、
行ってみたんでしょ?


確かめたくて?


そうとも言えるよ。
わたしは、探していたから。
どこかにあるのではないかと思って。
ここにはあるよ、って、
宣伝する人がたくさんいるでしょう。
どちらかっていうとね、
その人が、本当に、
そこだけでいいと思っているのか、
それを確かめたかったんだ。


宣伝する人は、
そこだけでいいなんか
思っちゃいない。
だから、
いいと言ってくれる
他の人を探して、
偽りの安心を
手に入れようと
しているだけだ。


どこか他には、
もっと面白いことが
あるかもしれないと、
他の人の顔色を伺いながら、
思ってるんだ。


決めていないんだ、
自分では。
だいたい、同じさ。


でもね、ときどき、
本気で決めている人に、
出会ったりするでしょう。
その瞬間だけでも。
その瞬間は、本気で、
それしかみていないような。


わかっていなくても、
それをやり続けたら、
やり続けられたなら、
どこかに行けるんじゃないかって、
思わせてくれるでしょう、
そこに、みんな、
吸いよせられるんだ。


そういうものに吸いよせられるのも、
悪くはないよ。
ただそれは、別の物語だ。
自分とは違うものの。


そうなんだ。


何度確かめても、
それで終わりということは、
なかったんだよ。


物語は、少しも、
同じじゃあ、なかったよ。


似ていると思っても、
必ず違うところがあった。


きっとこんな感じだろうと予想しても、
全然違ったりもしたよ。


だから、やめられないんだ。
それだけが、真実だ。