ひとりじゃない


怒っている人は
ひとりになっている

一点、ひとつの矢印だけに
とらわれている

なぜならば

こわいから。


こわいのに
何がこわいのか
わかっていなくて
何かのせいにしている。


落ち込んでいる人は
ひとりになっている

また別のときには
自分だけの手柄にウットリと
ひとりになっている


落ち込んだ何かも、
舞あがった何かも、
みんな
たくさんの何かに
つながっている

それをみないで
ひとりになっている

守りたいからだ


わけのわからないもの、
それがこわい?


わけがわかっているものは
いったい、
どれだけのことなんだろう


しがみついているものが
崖の先の、
今にも崩れそうな
ただ、先っぽだけが
かまりやすい形をした
もろい岩だったとしても


まわりをみようとしなければ
全体を観じようとしなければ

かまりやすいだけで

すべての希望にみえるだろう


ほんの、一瞬だけ。