梅は、ほんのひと枝でいい



冬のリースはもうおしまい。
部屋の中にも春の息吹をとりいれたくて、
ミモザにひきつづき、
地場野菜屋さんで紅梅の枝を調達してきた。


散歩の途中でふんわりただよってくる梅の甘い香りは、
それはそれは、やさしくうっとりする甘さ。
だがしかし。
気密性の高いマンションの部屋に持ち込むと、
ちょっとクラクラしそうなぐらいの強い香りだった。
ふだん、まったく香料らしいものを使っていない生活だしね。


ポキン、とおって、数ヶ所に飾ってみたけれど、
そのうちのひと枝でも、ちょうどよかったか。
この春の嵐で折れた枝があったら、
それを拾ってくるぐらいがねえ。


満開の梅が映え、うわっとひろがる香りがふさわしい場もあれば、
ほんのひと枝のほのかな香りと色が、ほどよい彩りになる場もある。


人と人との関係にも、そんなことってあるよね。


その香りは、自分や家族のためだけに用意したものではなかったこともあり、
なにごとも人と共有することの喜びを感じられる日々であるということもあり、
強い香りは、そんな連想をよんだのだった。


で、花言葉を調べてみると。
高潔、厳しい美しさ、あでやかさ・・・など。
なるほどねぇ。


たまには、そういうものを持ち込んでみて、
うふふ、と笑いながら身の程を知るのもいい。


人と人との関係にも、やっぱり、そんなことってあるよね。


というわけで、植物の力によって、本日も、
まわりすべてへの感謝と愛を、
自分の内にひろげるきっかけをいただいたよ。