出グズリ



ああ、そうだった。
ウッカリしていた。


昼間のオムツは完全にとれた、と言える。
おしっこが出そうになると、もぞもぞしている。
手で押さえたりもする。
つまり、出そうになるという体の「サイン」が出てから
オシッコを出すという「行動」に移るまでに、
「思考」を挟む余地があるのだ。


ただね。
これがうまくつながらないときが、
まだまだあるんだ。


遊びがおもしろくて夢中なとき。
ゴハンを食べたくなってしまったとき。
そんな、何かに気をとられて
どうしてもそっちに向かいたくなっているときにはね。


そういうときは、
遊びはじめた、と思ったのに急に
「抱っこ」と言いはじめたり、
ニコニコ食べはじめた、と思ったら
「あつい!」だとか「こぼれちゃった!」だとか言って
わけのわからないわめき方をすることがある。


今日も、ごきげんだったのに、
突然、豹変して、アレコレ難癖つけては
ぎゃ~っと泣き出したんだ。
週末の楽しい夕飯がはじまった、というときだったので
か~ちゃんもいきなり不機嫌におそわれちゃってさ、
冷静に対処ができなかった。
途中まで口に入れたものを吐き出すな~
己が食べたいと言ったんじゃないか~、
なんて、くたびれちゃって。
と~ちゃんもいて、はしゃぎすぎて
くたびれちゃったか、ちょっと夕飯遅かったか、
とか色々思いながら喚く子を抱いて
しばし待ち、の姿勢でいたら…。


じわ~っと、太ももがあつくなった。
たっぷりのオシッコが、あっというまに
抱っこしている足腰に広がってゆく・・・。


ああ、そうだ、と
その処理をして少し後になって気づいた。
これ、出グズリだったんだ、ってね。


週末って油断するから、
食事の前にトイレをすませる、だとか
毎日とくに気にもせず習慣的にやっていることを
スパッととばしちゃうときがあるんだよね。
今日も、そうだった。


ずいぶん長い間、トイレに行っていなかったのに
そのままゴハンにしちゃったんだ。
「手を洗う」ことは、か~ちゃんだけでなく
と~ちゃんやオーママにもだいぶんしみついてきたけれど
この、「トイレにタイミングよく連れて行く」ことは
まだか~ちゃんしかなかなかできないことだった。


出グズリ! そうそう、それだ。
だいたいボウズがわけのわからない泣き方や
癇癪を起こすようなときというのは、
生理的な欲求に関連しているときなのだ。
また思い出せたし、と~ちゃんやオーママにも
それを感じてもらう機会になって良かった。