『笑う出産』



笑う出産―やっぱり産むのはおもしろい

笑う出産―やっぱり産むのはおもしろい




10年ほど前の本で、出産本ではかなりのベストセラーだし
いまさらという感じだけど。
続編もでてるけど。


いろんな人のエッセイ的な妊娠・出産本を読んでみて、
これが一番、妊娠に対する感じ方が
自分と近いや、と思った本だった。


“ 出産はからだのお仕事です ” とか、
ヨガの本なんかに神聖な感じで、スピリチュアル系の雰囲気で
書かれていたりして、言葉にすると確かにそうなんだけども、
どうもなんか、そんなおしゃれっぽい感じではないような、と思っていて。


自分の体の変化にたいする感動や、
忘れてた本能が湧き出てくるような地球との一体感とか、
ほんとそういうことって言葉にすると急にうそくさくなるんだけど。
そのあたりを素直に感じて自分なりに楽しめるかどうかに、
妊娠・出産をいいものにする秘訣があると感じている。


頭で考えすぎたり、条件ばかりを気にしたり、
自分軸で計画しすぎたり、他人の言う事を心配しすぎたり・・・
自分の体で起っていることよりそういうことばかりにとらわれると、
つらいものになってしまうんじゃないかなあ。
自分で納得して、変に怖がったり人任せにしないっていうか、
それって他の事にも通じるか・・・


ちょっと冷静な、俯瞰で遠くから自分をみる視点も交えつつ
そのあたりをおもしろおかしく描いているな、というのがこの本。
出産時、32,3 歳ぐらい、それまでわりと好きに生きてきて、
本能的に(笑)妊娠した人だから、わかりやすい。


そしてその後、さらにふたり子供を産んで、
自分で稼いで育児も家事もこなし、ついに離婚している生命力があって、
でも、例えば内田春菊さんよりはもう少し人並みな(?)悩みも抱えてる、
っていうところがこの人の本の売れているところなのかも。
続編ももちろん、読んでみたい。